モンスターボランティア、という言葉があるそうです。
着の身着のまま被災地にやってきて、宿泊場所と食料を要求する、など、ボランティアで来ていながら被災地に迷惑をかけてしまう、という。
どうやら僕は、このモンスターボランティアになってしまいそうだったので、被災地入りはあきらめました。
福島市内に入ったのは午前10時頃。
これまでのいわき市、田村市同様、震災の影響はあまり見られません。
ただ、朝方、自衛隊が被災地へ向かって行くのを見たので、やはりここが復興支援の要所なんだと実感しました。
いつものようにフォルムカードを郵便局でゲットしまして、
福島市災害ボランティアセンターに問い合わせ。
すると、以下の点でボランティアとしての参加が難しい、と教えていただきました。
・単独であること。
派遣先の選定が難しくなります。
・保存容器を持っていないので、食料、飲料の確保を自力で行えない。
・長靴、軍手など、必要最低限の装備がない。
ほかにも、滞在日数が短い、ボランティア保険に加盟していないなど、僕に足りない要素は山ほど。
心構えがあまりにも足らなかったと思い知らされました。
意気消沈でコインランドリーへ。
そこで偶然にも、被災地支援で福島へ来ている方に出会いました。
その方が話してくれた、被災地の現状です。
「計画的避難区域の飯舘村の支援を行っている。今は小学校の清掃など。未だに校庭も用意できていない所が多い。子どもたちのために、早く蘇らせないと。次に中学、高校と進めるつもりだが、まだまだ時間がかかりそうだ。
昨日は被災した自宅から必要なものを持ち出していい日で、私はその持ち物の中に規定値以上に染色(放射能汚染)されたものがないか調べる係りだった。ごみ袋一つしか持ち出せないのに、その中身はお子さんやお孫さんの思い出の品や、教科書、おもちゃばかりだった。それでも、染色が進んでいたら没収しなければならない。そんな現状のただ中にいると、涙が出てしまう。」
話してくれた方の、笑顔とも泣き顔とも取れない、なんとも言えない表情。
たんたんと話す中に漂う無力感。
自転車で旅行をしてるような人間が、その延長で行けるような場所じゃない。
「がんばろう」という言葉が巷にあふれています。
ある一面では、正しいことなのだと思います。
けど、現場で活動している人たち、復興に向かって努力する被災地の人たちにとってのそれとは重みがまったく違う。
そう感じました。
僕ができる一番のボランティアは募金。
明日からもこつこつ続けます。
では。
本日の、
行程 福島県田村市→福島市
走行距離 60km
出費 2800円
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